秋 祭 り
麓の田圃の刈り入れがすむと 秋祭りじゃ
ピーヒャーラ・ドンドンと 笛や太鼓が響いてくる
この丘も 虫たちで大騒ぎになるんじゃ 祭りはいいもんじゃ
体の芯が熱ぅなって まるで血が騒ぐようじゃ
わしの体は水しかないのに 不思議に騒ぎよった
あれはきっと 幟を見たからじゃ 鎮守の森が芝居小屋になって
派手な幟が何本も立っておった まるで木のように立っておった
赤や黄色が風にはためいて それは楽しそうに立っておった<
この丘からは 芝居は見えんかったが 幟が踊っておった
人間たちもゲラゲラと笑っておった
今も祭りは続いておるが あの幟は 見んようになってしもうた
虫たちは相変わらず騒いでおるがのう
しかし 人間とは不思議な生き物じゃ
芝居を見ては泣いたり笑ったり
わしには理解できん まあ わしは見たことが無いから
とやかくは云えんが 人間も血が騒ぐんじゃろうか?
芝居とは何じゃろう? わしらの仲間で芝居をする者はおらん
芝居を見るのも人間なら 芝居をするのも人間じゃ
誰でもない人間だけじゃ 芝居とは何じゃろう?
これだけ長く生きてきたが また判らん事ができてしもうた
人間様よ この丘にこっそりと来て わしに話をしてくれんかのう
芝居の話を こっそりと